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十二月一日、東京武道館において二十一世紀の幕開けにふさわしく第一回全日本男子なぎなた選手権大会が開催されました。この日は、皇室の慶事と重なりおめでたい記念日となり、本大会の将来が隆盛であるよう期待します。大会の審判長として此処に感想の一端を述べさせていただきます。

記念すべき第一回の本大会に出場する選手として、十分に練習を積んで臨まれたその成果が表れていたと思いました。公開競技の演技競技も基本正しく整然とした実技内容であり、堂々と行なわれていたと思います。選手権大会の試合内容は、対さばきも俊敏であり、攻防の間合いも良く取れており、迫力ある良い試合が多く見られてことは、平常の修練に加え、回数を重ねての男子研修会を始め各研修会などの成果が功を奏したのだと推察致します。今後ますますの健闘を期待いたします。

翌、二日、日本武道館にて、皇后盃第四十六回全日本なぎなた選手権大会が盛会に開催されました。全体としては、四十六回の年輪にふさわしく、選手の修練度の向上が如実に表れていたと思いました。五年前の第四十一回大会で、審判員に大会終了後アンケートを採ったことがありましたが、その内容からすると数段のレベルの向上が見られました。

攻防については、理合いにかなった良い試合が多く見られましたが、惜しむらくは判定が多かった事であります。これは、有効打突の決め手である、物打ちの正確度・強さ・気迫・残心の充実が不足していた事によるものだと感じました。このことを今後の修練において留意されると、より高度な試合が展開されると期待します。

なぎなたには実に多彩な技があります。単発的な技にとどまらず、双方の攻防の中に、研究された技を使う事が、なぎなた本来の妙味であろうと考える次第です。今大会では、抜き技が少なく感じ、後の先の技を活かした試合が見られることはすばらしいと思いました。

終盤になると緊迫した熱戦が繰り広げられました。特に決勝戦は、双方合い譲らぬ攻防であり黒川選手(千葉県)の先のメンが見事に決まった後、内田選手(熊本県)が得意技であるコテを鮮やかに返し、真に技の応酬でありました。会場全体が感動を一つにした感がありました。さらに、内田選手の相手の隙を良く見て好機を捉えたコテを決めて勝敗がつきました。この試合に見られた終始積極的な攻防、黒川選手の常に姿勢が崩ず、安定した攻め、内田選手のとどまる事のない隙をついた攻め、正しく全日本選手権大会の優勝決定戦にふさわしい見事な試合内容でありました。両選手を讃えたいと思います。

二日間にわたる両大会が無事盛会裡に終了できましたのも大会役員、競技役員、審判員の方々の協力の賜と存じます。ご観戦下さいました各位と感動をともにできましたことを心からうれしく存じ、無事重責を果たす事ができましたことを謹んでお礼申し上げます。本大会が今年最終の美を飾る事ができましたことをお慶び申し上げ、来る年が全日本なぎなた連盟のさらなる飛躍の新年になりますよう祈念いたします。